今日は2016年5月に発売された抗精神病薬の『シクレスト舌下錠』の勉強をしようと思います。
シクレストは、第二世代の抗精神病薬(非定型抗精神病薬)になります。
色々な受容体に作用するため、MARTA(多元受容体標的化抗精神病薬)と呼ばれています。
過剰なドパミンの働きを抑える働きがあるため、統合失調症の治療薬として使用されます。
シクレスト舌下錠は抗精神薬として日本初の舌下錠で、速やかに口腔内粘膜から吸収されます。

舌下錠って普通の錠剤と違うの?
目次
舌下錠とは?
舌下錠とは錠剤の1種で、口腔内で溶かして使用する薬のことです。舌下錠は舌の下に入れて使用します。唾液によって薬が溶け、有効成分が口腔粘膜から吸収されることで効果を発揮します。

舌下錠は、服用してから体内に作用するまでの時間が非常に速いという長所を持っています。
有名なのは狭心症治療薬に『ニトロペン舌下錠』です。服用後すぐに効果が現れるので、急に起こる胸痛に頓用として使用します。

噛み砕いたり、嚥下してはいけません。
舌下錠を飲み込んだ場合、即効性が失われたり効果そのものが無くなってしまうこともあります。
作用機序
脳内のドパミン受容体、セロトニン受容体、アドレナリン受容体およびヒスタミン受容体に作用し、妄想、幻覚などの症状や、やる気が出ないなどの症状、不安、抑うつ症状を改善します。

海外では、双極性障害にも適応があります。
特徴
用法・用量
通常、成人には1回5mgを1日2回舌下投与から投与を開始する。
維持用量は1回5mgを1日2回とし、年齢、症状に応じ適宜増減するが、最高用量は1回10mgを1日2回までとする。
副作用
- 舌のしびれ
- 眠気
- 倦怠感
- 血糖値の上昇
考察
舌下錠ということで、即効性があるのが1番の特徴ですね!定期で服用と言うよりは、頓服での処方が多いです。
セロクエル錠やジプレキサ錠が糖尿病に禁忌なのに対して、シクレスト舌下錠は禁忌ではないので糖尿病患者散に使用できるのが嬉しいです!
似たような薬だと、セロクエル錠やジプレキサ錠などがありますね。