ここ最近、コロナ後遺症で「耳聞こえにくくなった」と言う話しを聞きます。
今まで、味覚障害はよく聞いてましたが、耳に関する後遺症は気にしたことがなかったので調べてみました。
と、いう論文もあり、あまり知られてはいないですが、意外と多い後遺症のようです。

気づいていない人も多いかもしれませんね!
目次
聴力障害
聴覚障害とは、耳の聴こえが低下している状態を指します。
耳の聴こえには、外耳や中耳、内耳、脳といった各部位が適切に働くことが必要です。しかし、何らかの原因で各部位に異常が起こると聴覚障害が生じます。
原因には生まれつきの先天的なものと後天的なものがあり、脳腫瘍や薬などが影響することもありす。障害の程度は様々ですが、音が全く聞こえなくなってしまうこともあります。


よく聞くのが、中耳炎やメニエール病、突発性難聴ですね。
耳の病気は意外とたくさんあります。聞いたことのない病気も多いですね。これかが原因で聴力障害が起きます。まずは原疾患の治療をします。
中耳炎だと抗生剤、突発性難聴だとステロイドなどと共に、血液の循環を良くしたり、調節する薬を一緒に服用することが多いです。
また血液の循環を良くしたり、調節する薬は原因不明の聴力障害にもよく使用されます。
では、どんな薬がよく処方されるか見ていきましょう。
よく使用される薬
カルナクリン
末梢血管系統の循環を改善するカルナクリン錠。

キニンを遊離して末梢血管を拡張することで、血液の流れをよくし、循環障害を改善します。
通常、高血圧症、メニエール症候群、閉塞性血栓血管炎(ビュルガー病)、更年期障害や網膜の血液の流れが悪くなって起こる症状の改善に用いられます。

最近は処方されているのをあまり見ませんね。眼科領域でもよく処方されています。
アデホスコーワ顆粒
内耳の循環を改善するアデホスコーワ顆粒。

血管拡張作用により血流を増加させ、生体内の代謝を賦活し臓器の機能を改善します。
通常、頭部外傷後遺症に伴う諸症状の改善、心不全・消化管機能低下のみられる慢性胃炎・メニエール病および内耳障害に基づくめまいの治療、調節性眼精疲労における調節機能の安定化に用いられます。

耳鼻科領域の代表薬ですね。主に眩暈に使用されることが多いです。
副作用も少なく使いやすい薬です。
メチコバール
神経細胞の修復を促すメチコバール。

神経の核酸・蛋白合成を促進し、軸索再生、髄鞘形成を促すことにより、傷ついた末梢神経を修復してしびれ、痛み、耳鳴りなどを改善します。ビタミン12製剤です。

耳鼻科領域だけでなく、整形でも神経系の痺れに用いられます。副作用
も少なく、多くの人が服用しています。
五苓散
様々な解説にて「利水剤(りすいざい)」と言われていることからも分かる通り、五苓散は身体の水分代謝を是正する目的で用いられています。
なので、めまい・頭痛・むくみ・吐き気・下痢など水分代謝の不調が原因と考えられる症状に処方することがあります。メニエール病の方にも向いています。


簡単に言えば、水分の調整をしてくれる漢方です。
苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)
漢方では、めまいの第一の要因として“水毒”を疑います。水毒とは、体の水分が停滞したり偏在することで、その循環が悪いことを意味します。

苓桂朮甘湯は、水分循環を改善し水毒を取り去ることで、めまいを治します。
めまいや立ちくらみ症状を中心に、動悸や息切れ、のぼせ、頭痛、神経症、尿量減少などをともなうときに用います。体が丈夫でない繊細な人向けの処方で、胃に水分が停滞しチャポチャポしやすいことも使用目安です。

眩暈など耳鼻科で使用する漢方の代表。効果あったとの声多数有りです。
釣藤散(チョウトウサン)
釣藤散は、中年以降の比較的体力がある慢性的な頭痛に効果を発揮します。

特に、高血圧を伴う頭痛に対して効果的とされていて、起床後~午前中にかけて服用することでその効果を発揮できます。。
そのほかにも、高血圧や動脈硬化で顕現されるめまい・肩こり・耳鳴り・のぼせ・抑うつ・不眠症といった症状に対しても使用することができます。

耳鼻科でよく処方されています。高血圧に伴う諸症状にも使用します。
まとめ
今回は代表的は薬のみ紹介させていただきました。漢方は他にも聴力障害で使用するものもあると思います。何せ適応が広いので(o^^o)
色々調べていく中で感じたことは、耳鼻科領域の内服はびっくりするほど少ないです。これに抗眩暈薬を追加したら、耳鼻科領域の薬は網羅できてしまうくらいです。
元々ストレスなどの心因的要因でも聴力障害は起こります。原因不明なことも多いです。聴力障害があると日常生活に大きな支障が出ます。
少しでも改善するよう、上記の薬試してみてください(*^▽^*)
参考
- メディカルノート
- 薬がみえる
- くすりのしおり
- クラシエ漢方
イギリスのマンチェスター大学での研究で、新型コロナウイルスに感染し、退院した成人のうち10人に1人以上が聴力の状態に変化があると報告したという
・調査対象は退院から8週間が経過した121人
・121人中8人が聴力の悪化、8人が耳鳴りの症状など、合わせて16人が聴覚の異常を報告