おはにちわ、薬剤師ののまりこです。
目次
まずは痛風という病気から
痛風は尿酸塩結晶が関節内に析出(せきしゅつ)することにより激烈な痛みを伴う急性関節炎発作を主症状とした症候群である。尿酸代謝異常による高尿酸血症が(血清尿酸値:7mg/dl以上)が根底にあり、進行すると皮下結節や腎機能障害が生じます。尿酸結晶は特に下肢に起きやすく、多くは母趾(親指)先端になることが多く、風に吹かれても痛い言われるぐらい激痛や熱感を伴い歩行困難になる。
疫学
30〜50歳代で栄養価の高い食事をとり、生活習慣病のる男性に多い。
原因
生活習慣(過剰なカロリー、プリン体、ショ糖、果糖の摂取)。
治療
痛風関節炎の炎症を防ぐことが第一になる。
治療薬の種類については、
痛風発作治療薬として、
NSAIDs(ナプロキセン、インドメタシンなど)、コルチヒン。
尿酸降下薬として、
①尿酸生産過剰型:尿酸生産抑制薬(アロプリノロール、フェブキソスタットなど)。
②尿酸排泄過剰型:尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン、プロペネシドなど)。尿路結石例ではこの種類の薬は使用しない。
今回は田辺製薬のナイキサン錠(一般名:ナプロキセン)についてです。
治療薬:ナイキサン錠
規格
一錠:100mg
用法・用量
成人
・1日量300~ 600mg(本剤3~6錠)を2~3回に分ける
・なるべく空腹 時をさけて経口投与する。
・痛風発作には初回400~ 600mg(本剤4~6錠)を経口投与する。
・頓用(頓用)する場合、また外傷後並びに術後初回には300mg(本剤3錠)を経 口投与する。
・年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意点
- 消化性潰瘍の既往歴のある方
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消 化性潰瘍のある方
- 血液の異常又はその既往歴のある方
- 出血傾向のある方
- 肝機能障害のある方(既往歴も含む)
- 腎障害又はその既往歴のある患者及び腎血流量 が低下している方
- 心機能が低下している方
- 高血圧症の方
- 過敏症の既往のある方
- 気管支喘息の方
- 潰瘍性大腸炎の方
- クローン病の方
副作用
総症例26,917例中、副作用が報告されたのは941例 (3.50%)で
- 胃腸障害(0.6%)
- 腹痛・胃痛・胃部不快感(1.3%)
- 悪心・嘔吐(0.4%)
- 食欲不振(0.3%)
- 発疹(0.3%)
- 浮腫(0.2%)
重要な副作用についてはいくつかありますが頻度は不明です。詳しく知りたい方は下記のリンクから添付文章をご覧ください。
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00057223.pdf
高齢者
- 副作用が出やすい
- 少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する
- 消炎鎮痛剤による消化管の潰瘍、出血等の発現率が高い傾向が認められている。
妊婦・産婦・授乳婦
- 妊娠の可能性がある、妊娠中(後期以外)の方の使用は必要最低限にする・
- 妊娠後期や授乳中には原則投与はしない。
小児
- 1歳児以下の子供には投与することは少ない
禁忌
- 重篤な心機能、腎機能、肝機能、血液異常、高血圧の方
- 妊娠後期の方
- 消化性潰瘍のある方
- アスピリン喘息のある方
感想
男性に多い、ビールなどのプリン体を多く含むものをたくさん食べる人、カニやエビなどの甲殻類を食べる人に多く女性に少ない印象です。
以前の病院でリハビリしている方が、「歩く練習したら痛風になった」と叫んでいる人がいて病棟中大騒ぎになっていました…
風が吹いても痛いので靴下やスリッパも履くことが辛いですので、早く薬で尿酸値を下げましょう。
また、高尿酸血症の方は水分をたくさん取りましょう。
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