皮神経滑走と運動療法の新知見についてです。




おはにちわ、のまりこです!!

本日は理学療法士であれば誰もが知っている雑誌PTジャーナルから気になる記事を見つけたので紹介します。ただ、残念なことに図や写真を挿入することができませんでしたので、気になる方は是非購入して読んでみてください。

理学療法ジャーナル 2021年 4月号 特集 皮神経滑走と運動療法の新知見

Point

  • 皮下や筋骨格間は繊維組織と脂肪組織からなる結合組織で重鎮されている。
  • この結合組織は機能的観点からPAFSとLAFSに分類し理解することができる。
  • 神経周囲は基本的にLAFSで構成されているが、その潤滑性はさまざまであることから、神経の滑走性にも違いが生じる。

 

脂肪組織と繊維組織

結合組織は肉眼的には、黄色の粒状の脂肪組織と白い糸状や膜状の繊維組織とで構成されている。粒状の脂肪は脂肪小葉と呼ばれている。一方、脂肪小葉周囲の繊維組織は脂肪中隔とも呼ばれるが、われわれはこの脂肪中隔やいわゆる深筋膜を含め肉眼的に見える繊維組織を総称して筋膜と呼んでいる(図1)。したがって結合組織を脂肪筋膜組織と呼んでいる。「筋膜」という用語の定義には議論があり混乱しているが、われわれが定義する筋膜は膜状を呈するものだけではなく、ハチの巣状になったり、クモの巣状になったり、糸状になったりして、各部位の機能的要求に従ってその構造を合目的的に変化させている。そして皮下や深筋膜下に広く存在し全身にわたって連続している。
脂肪組織は小葉と存在している。繊維組織は深筋膜(矢印)を介して筋繊維間にも連続している。線維組織の総称を「筋膜」と呼ぶ。

PAFSとLAFS

脂肪筋膜組織について機能的観点から以下のような概念を提唱している。
皮下の脂肪筋膜組織は、基本的には教会に明瞭な膜状の筋膜を持った二層構造となっている(図2)。浅層は脂肪小葉が粒状で筋膜がタイトであり、常に皮膚直下で身体の最外層を形成している。これが外力に対して深部組織を保護していると考え、防御性脂肪筋膜系(protective adipofascial system:PAFS)と命名した。一方、深層は脂肪小葉が扁平で、部位によっては存在しないこともある。筋膜は疎で断面では流れるような形態をしている。PAFSを介して皮膚に可動性を与え、筋骨格の運動が皮膚に対して円滑に行われるための潤滑剤として働いていると考えられ、潤滑性脂肪筋膜系(lubricant adipofascial system:LAFS)と命名した。
浅筋膜を挟んで浅層のPAFSと深層のLAFSから構成されている。

[略語]PAFS:protective adipofascial system, LAFS:lubricant adipofascial system

PAFSとLAFS境界の明瞭な膜をわれわれは浅筋膜と呼んでいるが、表情筋と体幹の浅筋膜を合わせるた分布は他の哺乳動物に存在する皮筋(panniculus carnosus)の分布とよく一致している。ヒトの体幹においてはこの皮筋が退化し筋膜となったと考えれられる。

この基本二層構造(図3赤)も身体各部位の機能的要求に従って次の3つの構造に移行している。

  1. PAFS一層構造(図3青):手掌、足底や臀部など荷重に耐え、皮膚と筋肉がずれては困る部位では皮下にはLAFSがなくPAFS一層となっている。ただしこのPAFSの脂肪小葉は皮下深くなれば大きくなる傾向がある。
  2. アンカリング構造(図3緑):体幹正中部、臀部下縁、腋窩など身体各部位の移行部には体表に溝やくぼみが形成される。ここでは筋膜が深筋膜や骨に向かって係留(アンカリング)している構造となっている。皮膚が身体各部位からずれて移動しないような構造と考えられる。
  3. 浅筋膜がないPAFS、LAFS二層構造(図3白):胸部や四肢の大部分にみられる。胸部においてはPAFSからLAFSへ不明瞭に移行する。四肢においては二層は明瞭であるが、間に浅筋膜は存在しない。

筋間や筋骨格間など、深筋膜下の脂肪筋膜組織はLAFSで構成されている。LAFSの筋膜の形態や脂肪小葉の分布は各部位において特徴があるが、基本的には筋肉の円滑な収縮運動を行わせ、またその収縮運動による血管、神経への摩擦を減じる潤滑剤として存在していると考えられる。

坐骨神経周囲のLAFS

大腿部の坐骨神経は発達したLAFSに囲まれている(図4).神経近傍には脂肪小葉はほとんどなく、筋膜は神経を囲むようなクモの巣状の形態をしており、潤滑性に富んでいる。この潤滑性は筋肉の収縮運動による神経への摩擦を減じるためにも役立つが、股関節と膝関節の運動に伴う坐骨神経の長軸方向の滑走性も生み出すものと考えられる。さらにこの筋膜を鑷子で引いた後、離すとすぐに元の状態に戻ろうとする。組織学的にも筋膜には弾性繊維が含まれているためである。この弾性により、神経が本来の位置からずれるとLAFSは神経を元の位置に戻し保持するような働きを持つと考えられる。脂肪小葉は神経から離れたところから出現している。これは摩擦だけではなく、神経への圧迫の力を減じるためと筋間の大きなスペースを埋めるために存在していると考えられる。

四肢の皮下の皮神経周囲のLAFS

四肢の日か深層は基本的にはLAFSで潤滑性を有するが、前腕筋膜など深筋膜に接する面ではLAFSは深筋膜に癒合している(図5).このため深筋膜直上を長く走行する皮神経本幹部分においては、繊維組織が神経を蓋するような形態となっている。この癒合により神経は長軸方向の滑走性は保たれるものの、横方向に外れにくい構造となっていると考えられる。脂肪小葉は神経に沿って沈着する傾向がある。本幹からの神経の枝は深筋膜から離れるためLAFSの中央を走行することとなり、上述のような固定性はなくなり、神経の滑走性も向上すると考えられる。
神経の長軸方向の滑走性は保たれるが、深筋膜直上のLAFSは深筋膜に癒合しているため、横方向の滑走性は制限される。

本稿では筋間と深筋膜直上の部位で神経周囲のLAFSを解説したが、LAFSは各部位によって筋膜と脂肪の形態や分布が変化し、周囲との癒合の度合いにも変化している。したがって、神経の保護の度合い、神経そのものの滑走性や位置の復元性にもある程度違いが生じてくると考えられる。
何らかの原因で神経周囲のLAFSに炎症や癒着が生じるとLAFSの潤滑性が障害され、神経の滑走性の低下や位置異常が起こる。そのため運動時の神経の絞扼や無理な張力が惹起ししびれや疼痛などの症状が生じるかもしれない。

感想

  • 治療を行う際に多く見かけるのは、筋肉に対してのアプローチのみ。
  • 筋膜などの結合組織や脂肪組織などに対してはよくわからないことから軽視されていることが多い。
  • LAFS:潤滑性脂肪筋膜系は摩擦を軽減する潤滑剤として考えるのであれば、スムーズに血管や神経の滑走を確保できることで疼痛の発生を抑制できると考える。
  • このLAFSやPAFSに対してのアプローチ方法が見つけることができれば、視点の違った治療ができると言える。
  • 私自身は結合組織などの軟部組織に対しては積極的にアプローチをしているので今回の文献はとても参考になった。

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リン子
リン子と言います。時短で働いている2児のアラフォーワーママです🙋‍♀️ 義理両親と完全同居中。同居のこと、育児のことなど気持ちの整理・記録を残そうと思ってブログを始めました。ゆるーく、楽しく(たまに愚痴も笑)書いていこうと思います🙇‍♀️よろしくお願いします🌸 ⚫︎結婚して7年 ⚫︎同居して5年 ⚫︎職業は病院薬剤師 ⚫︎子供は4歳(女)と2歳(男) ⚫︎愛車はセレナ ⚫︎SMAP好き ⚫︎辛い食べ物好き
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