病院に勤めていると、コロナの後遺症で咳が長く続いたり、倦怠感が抜けない…など後遺症で苦しんでいる人を度々みかけます。
完治させる薬はないので、どうしても対症療法になります。その中で、漢方を服用してよくなった事例を見かけたので紹介しようと思います😀
目次
新型コロナ後遺症とは?
よく見られる症状は、疲労倦怠感、思考力や集中力の低下および記憶障害(ブレインフォグ:brain fog)、抑うつ、微熱、筋力低下、筋肉痛、頭痛、味覚障害、嗅覚障害、咳、痰、息苦しさ、息切れ、胸痛、睡眠障害など、多岐にわたります。
原因としては、新型コロナウイルスの感染による肺や血管などの障害、自律神経や中枢神経の障害、罹患時のストレスなどが考えられていますが、現在のところ不明な点が多いようです。
治療には、顕在化している症状を薬物療法によって抑制する対症療法や、症状の元にある心身バランスの失調やウイルスによるダメージからの回復を促す方法などがあります。
新型コロナ後遺症に対する漢方
漢方では、ウイルスによるダメージや、心身バランスの失調、自律神経の失調などを漢方薬で調整することにより、新型コロナ後遺症の治療を行います。
症例1
「コロナに感染して3カ月になりますが、いまだに微熱、極度の倦怠感も続いており、身体が重くなかなか動けません。」
この患者さんのは、「腎精不足(じんせいぶそく)」と言って、生命体の根本をなす物質である腎精が不足していると思われます。
コロナの感染により腎精が減り、脳の機能が低下して後遺症が残ったのではないでしょうか。倦怠感、集中力・記憶力の低下、めまい、耳鳴りなどは、この証の特徴です。
この場合は、腎精を補う漢方薬、六味地黄丸(ろくみじおうがん)が処方されました。
服用を始めて2カ月後、体温が徐々に下がり36℃台の後半です。倦怠感も少し減りました。
4カ月後、体温もまだ少し平熱より高め。
6カ月後、体温が平熱にまで下がり、疲れやすい状態は続いていますが、動けるようになってきました。
六味地黄丸

適応:疲れやすくて尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の諸症:排尿困難、頻尿、むくみ、かゆみ。

体の弱った機能を元気づける漢方薬です。
六味丸は元気や精力をつける働きを持ちます。そのため、高齢者の老化予防や体力が低下した中高年の症状改善を目的に用いられます。
もし、コロナ後遺症で身体が重くて倦怠感が抜けない方は一度試してみてもいいかもしれません😃
②へ続く。
参考
- DIオンライン「新型コロナ後遺症の考え方と漢方処方」
よく見かけるのは、鎮痛薬や、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、鎮咳薬、去痰薬ですね。