皮膚は脳の外側とは




おはにちわ、のまりこです。

本日は、気になった文献の紹介をしていきたいと思います。
理学療法ジャーナル(PTジャーナル)2021年4月号のP382-384に掲載されています。
タイトルは、「皮膚は脳の外側にある」です。
下記のリンクで購入できますので、全て勉強されたい方は購入してみてください。


理学療法ジャーナル 2021年 4月号 特集 皮神経滑走と運動療法の新知見

はじめに

 理学療法士は人に触れる職業ですが、疼痛を有する人を助ける目的として人に触れる徒手の治療スキルを習得してきました。それは、身体構造への直接的影響や永続的影響に至るわけではありません。私たちが他の人と身体接触するとき、何かが神経系で生じます。この論文は、情報に基づいた接触によって、疼痛軽減や動きの改善のための身体的接触をどのように起こせばよいのか、また理学療法士が幻想を払拭したり、職業として革新的な道を見つけるのに役立つかについて論じます。

「自己」と「非自己」の物理的境界

全ての生物には皮膚のような境界があります。単細胞生物における膜はとても鋭敏に生物学的営みを行う活動的な存在です。人間の場合、細胞膜として始まった皮膚組織は数十億年にわたって進化し、体温調節性や力散逸性を有し、高度に神経支配、外部環境から「自己」を分けてきました。皮膚は何百もの小さな皮膚靭帯によって深筋膜につながり、多くは管状で、分岐した神経構造や皮膚表面への血管系でつながっています。

最初のニューロンは、原始的多細胞生物の表面から内側に進化し、外部から細胞内部に情報を提供することによって、生物全体の動き(移動、食物探索、摂食)が強調するようになったとされています。外胚葉は神経組織とともに皮膚外層である表皮を生じさせます。

神経節、神経綱、脊髄へと進化し、徐々に脳はそれらの核から大規模に成長し、脊髄を監視していきました。

脊髄は中枢神経系の最も古い部分であり、抑制されていない脊髄は保護的であり、侵害受容入力に対応した逃避反射のように自律的に作用します。手が誤ってストーブに触れた場合、熱源から離れるよう腕を曲げてから、起こったことに気づきます。脊髄損傷患者では、抑制されていない状態になっています。脊髄は侵害受容入力を脳に伝達しようと最善を尽くしますが、脳にはその入力を自動抑制する機能があります。ほとんどの場合、それは意識的な気づきで上手く生じていますが、時に機能しないことがあり動作の問題に関連する疼痛を経験します。

人間は、身体、腸管神経系、自律神経系、感覚神経系全体にまだ原始的な神経系組織をもっています。自律神経回路は、大きい労力やエネルギー消費を必要せずに、日常のほとんどを管理しています。理学療法士として、私たちは普段、それらに影響を与えるとは考えていませんが、感覚神経系に影響を与える可能性があり、話を聞くこと、話すことという特殊感覚や、肌に触れたりテープを貼る体制感覚によって実際に影響を及ぼします

ニューロンは最も興奮しやすく、非侵害環境に反応する唯一の細胞であることや情報が時速430キロにも至る速度で伝達されることを考えてください。皮膚表面と脳の感覚処理皮質の間に、2つの狭いシナプスが分ける連続された3つのニューロンしかないという事実を考えてください。さらに、私たちの手と脳の間にも3つのニューロンしかありません。2つの脳の6つの興奮しやすいニューロンだけしかないのです。

真皮には、色々な刺激に応答する多様なサイズ、種類の感覚神経がたくさんあります。そして末梢感覚神経系には、私たちが利用できる機能があります。時間的加重とは短い刺激が反復して与えられた場合空間的加重とはさまざまな種類のニューロンが刺激された場合を指しますが、それぞれ刺激が脳に到達する可能性が高くなることを意味します。
ウェーバー・フェヒナーの法則は、新しい刺激に対する脳の感受性を説明しています。脳が慣れていない場合には、強い刺激は必要ありません。理学療法士としての役割の1つは、人々が動きの障害を克服するのを助けるためにさまざまな方向に注意を向けることです。

タッチは痛みや動きに影響を与える可能性がある

私たちが患者に触れると、表皮の皮膚細胞、ケラチノサイトを活性化し、それが感覚神経終末を活性化します。活動電位は、いくつかの種類のニューロンの長さに沿って脊髄に、そして体性感覚皮質に向かいます。タッチはその人の意識や運動出力に影響を与える可能性があります。それは彼らが抱えているかもしれない痛みの問題にもよい影響を与えるかもしれません。

特に注目すべきは、皮膚のストレッチに反応する固有受容能力を有する真皮表面近くのルフィニ終末です。それらは背外側前頭前野に直接影響を与える可能性があり、その様な入力を使用して触覚の方向弁別を決めるかもしれません。ルフィニ終末は適応が遅く、刺激がある限り送信を続けるため、テープの使用によって数時間から数日間影響を与えることができるかもしれません。

ゲートコントロール理論のサポート

1965年に、Patrick WallとRonald Melzackは、脊髄後角部の痛覚伝達に対する触刺激の修飾作用であるゲートコントロール理論を発表しました。その時はまだわかりませんでしたが、太い非侵害性刺激が侵害受容入力を阻害するのに役立ったというエビデンスが2015年に発表されました。太い繊維は後索を上って延髄後索核に達しますが、脊髄に沿って進む途中で、それらは後角に側副線維を送り、これら側副路は、グリシン作動性および抑制性の介在ニューロンを興奮させ、一次求心性侵害受容ニューロンと二次上行性侵害受容ニューロン間の最初のシナプスでの侵害入力を弱めるのに役立ちます。つまり皮膚との接触は、ボトムアップ方式で侵害受容処理を弱めるのに役立つ可能性があることを意味します

下降性抑制

理学療法士に望まれることは、患者さんが日常生活に支障を来たす動きや痛みの問題を克服できるようになる支援することです。神経系全体による脊髄の過剰活動の下降性抑制は、これを長期的に達成できる唯一のことです。多くのメカニズムを備えた下降性抑制は、ここで検討するには大きすぎるトピックですが、それは脳の日常業務であり、我々の業務は多面的な生化学機能の回復を支援することです。事前に患者の話を聞いて慎重に準備し、信頼関係を築き、侵害的および有害な感覚入力を回避すると、身体がより良く感じ、動くことを助ける能力を患者の脳が利用する可能性が高くなります。

個人の感想・見解

疼痛改善目的のリハビリを行う時によくあることは、患者様の話を聞くことでストレッチやマッサージなど体に触れることなく疼痛軽減や消失できることが多いです。話を聞く際に身体の痛い部分に触れる程度に優しく触れることで効果が大きく変化することも多いです。
これらは間違いなく治療ができている証拠です。
セラピスト(理学療法士、作業療法士、あん摩マッサージ指圧師など)は患者様の要望に応えるために使える能力や手段は使うべきです。
治療現場ではよく脳に対して意識づけをさせるように動画や画像を見せたり、時間などのスコアを見せることが多いです。これは良くなったと刷り込ませている証拠ですね。患者様からみたらスコアや動画などどうでもいいわけです。自分の今の身体の状態を理解してもらえた上で良い治療を望んでいるのです。
皮膚は脳の外側にあるというのは、
「皮膚=脳」
と考えても良いと思います。皮膚の触れ方ひとつで治療を大きく左右すると考えても大袈裟ではないと思います。
皮膚に対して良い感覚を入力することができれば脳に対しても良い感覚が入力されより良い治療になるはずです。
是非、治療だけではなく人に触れることがある場合には注意していただくと良い思います!!

 


理学療法ジャーナル 2021年 4月号 特集 皮神経滑走と運動療法の新知見

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リン子
リン子と言います。時短で働いている2児のアラフォーワーママです🙋‍♀️ 義理両親と完全同居中。同居のこと、育児のことなど気持ちの整理・記録を残そうと思ってブログを始めました。ゆるーく、楽しく(たまに愚痴も笑)書いていこうと思います🙇‍♀️よろしくお願いします🌸 ⚫︎結婚して7年 ⚫︎同居して5年 ⚫︎職業は病院薬剤師 ⚫︎子供は4歳(女)と2歳(男) ⚫︎愛車はセレナ ⚫︎SMAP好き ⚫︎辛い食べ物好き
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