おはにちわ、薬剤師ののまりこです。
今日は咳の勉強をしようと思います。
咳は医療用語で咳嗽(がいそう)と呼ばれ、気道の異物な痰を排除するために反射的に生じる防御反応です。咳嗽は痰を伴うか伴わないかで種類が分かれます。
目次
咳嗽の種類
湿性咳嗽
痰を喀出するために起こる咳です。気道内病変が多い。急性のだと細菌性肺炎や気管支炎、慢性のものだとCOPD(慢性閉塞肺疾患)、肺がんなどがあります。
乾性咳嗽
気道上皮などの咳受容器が直接刺激を受けるために起こる咳です。痰の喀出はないか、少量です。急性のものだと気胸、慢性のものだと咳喘息、胃食道逆流症などがあります。
上記の病気で咳を止めるために、咳止めを服用します。
咳止めは鎮咳薬と呼ばれ、作用部位により2つに分類されます。
咳嗽薬
中枢性鎮咳薬
咳中枢を直接抑制します。麻薬性鎮咳薬と非麻薬性鎮咳薬と2種類あります。麻薬性鎮咳薬は鎮咳薬作用はとてと強いです。しかし、依存性があったり副作用(便秘・眠気・呼吸抑制)が多く、処方されることが少ないです。逆に非麻薬性鎮咳薬は鎮咳作用はやや劣るものの依存性はなく、副作用も少ないので第一選択でよく処方されます。
末梢性鎮咳薬
刺激の発生を抑制します。非特異的だと原因に関わらず効果を発揮する、トローチ剤や去痰薬などがあります。特異的だと原因疾患に合わせて使い分けます。抗ヒスタミン薬や気管支拡張薬などがそれにあたります。
ここで1つ麻薬性鎮咳薬のリン酸コデインの勉強をしようと思います。
リン酸コデインは麻薬成分ですが、用量が少ないため麻薬には分類されていません。鎮痛作用を現す量よりも少量で鎮咳作用を示します。連続して使用すると、依存や耐性を生じるため注意が必要です。鎮咳作用はとても強いです。副作用の便秘を利用して、下痢止めとしても適応があります。
☆規格☆
- 5mg
- 散剤もあります。
☆薬価☆
10.1円
☆適応☆
- 各種呼吸器疾患における鎮咳・鎮静。
- 疼痛時における鎮痛。
- 激しい下痢症状の改善。
☆用法・用量☆
成人には、1回20mg、1日60mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
☆禁忌☆
- 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する]。
- 12歳未満の小児。
- 扁桃摘除術後の18歳未満又はアデノイド切除術後の18歳未満の鎮痛目的で使用する患者[重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある]。
- 気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる]。
- 重篤な肝機能障害のある患者。
- 慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する]。
- 痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄刺激効果があらわれる]。
- 急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する]。
- アヘンアルカロイドに対し過敏症の患者。
- 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長を来すおそれがある]。
☆基本的な注意☆
- 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
- 眠気、眩暈が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
☆併用注意薬☆
たくさんあるので添付文書を参照してください。
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/medley-medicine/prescriptionpdf/672212_2242001F1055_2_01.pdf
☆副作用☆
- 吐き気
- 便秘
- 眠気など
☆高齢者☆
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(一般に生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い)。
☆妊婦☆
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(マウス)で催奇形作用が報告されている)。分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれるとの報告がある。
☆小児☆
12歳未満の小児:投与しないこと(呼吸抑制の感受性が高い、海外において、死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある)
☆感想☆
鎮咳薬として、処方されることの多いリン酸コデイン。私は服用したことありますが、よく効きます!他の鎮咳薬ではダメでしたが、リン酸コデインを飲んだらぴたっと咳が止まりました!ちなみに、リン酸コデインは採用がない病院もあるので注意(私の働く病院は採用がないです)。下痢止めとして処方さらてるのも見たことありますが、本当に稀ですね。咳がひどい時、お試しあれー。
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