今日は2010年4月に発売された、メラトニン受容体作動薬、ロゼレム錠の勉強をしようと思います。
目次
ロゼレム錠の作用機序
ロゼレム錠はヒトの視交叉上核に多数存在している脳の松果体のホルモンである「メラトニン」の受容体に選択的に結合して、薬理作用を発揮します。
メラトニン受容体には、催眠作用や睡眠リズムを調節する機能があるとされており、従来の睡眠薬に高頻度で発現していた反跳性不眠や退薬症候がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導します。
ロゼレム錠の立ち位置
睡眠は、睡眠不足を是正しようとする「恒常性維持機構(ホメオスタシス)」と、日常的に夜になると眠るという「体内時計機構」の2つの機構でコントロールされています。
しかし、何らかの原因でこれらのコントロ-ルが崩れると不眠症に陥り、さらに症状が慢性化することで、うつ病などのリスクが高くなることが認められている。こうしたことから、不眠症は早期に治療する必要があるとされています。
不眠症治療は現在、ベンゾジアゼピン系薬をはじめとする催眠剤を用いた薬物療法が中心となっていますが、ベンゾジアゼピン系薬は、鎮静・催眠作用以外に、抗不安作用、運動障害作用、筋弛緩作用、記憶障害なども有しているほか、長期的な使用による依存性や耐性なども問題となっています。。近年では、そうした副作用が少ない、ベルソムラ錠やこのロゼレム錠などが高齢者の不眠症の第一選択薬となっています。

依存性や認知機能に影響しないので、高齢者にも安全に使用できます。
メラトニン受容体作動薬ってどんなの?