今日は2022年4月21日に発売されたばかりの新薬、『リフヌア錠』の勉強をしたいと思います。
目次
咳(せき)の種類
咳は、気道内に貯留してた異物や分泌物を気道外に出そうとする生体防御反応です。
頻回に強く続く場合、急性(3週間未満)と慢性(8週間以上)と遅延性(3週間以上8週間未満)に分類されます。
リフヌア錠は慢性の咳に使用する薬です。

慢性の咳の原因、咳喘息、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎・肺炎といった感染症、腫瘍性疾患、間質性肺炎などが挙げられますが、時に診断が難しい事があります。
コロナの後遺症で咳が続く…なんて話も聞くので今度コロナ後の続く咳なんかにも使用されるかもしれませんね。
作用機序
気道の迷走神経にはC繊維と呼ばれる部位に「P2X3」と呼ばれる受容体が出現していることが分かっています。
アレルギー物質などが気道に入ると気道粘膜細胞からATPが放出され、ATPがP2X3受容体に結合すると、咳が誘発されます。
リフヌア錠はこの、P2X3受容体を遮断することで咳を抑制します。
注意点
- 新薬なので、1年間(2023年4月末)は14日処方しかできない。
- P2X3受容体は味覚神経にも発現しており、味覚に関わる副作用の報告が多数ある。副作用は用量依存的。ほとんどが中止することで改善。
- 腎機能が悪い人は減量の必要がある。
簡易添付文書
規格
45mg
適応
難治性の慢性咳嗽。
用法・用量
通常、成人には1回45mgを1日2回経口投与する。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
基本的な注意事項
本剤による咳嗽の治療は原因療法ではなく対症療法であることから、漫然と投与しないこと。
副作用
- 味覚不全
- 味覚消失
- 吐き気
- 嘔吐
- 口腔内乾燥など
高齢者
腎機能に注意し、必要に応じて用法及び用量を調節すること。本剤は腎排泄型の薬剤である。一般に腎機能が低下していることが多いので、本剤による副作用のリスクが増加するおそれがある。
妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット及びウサギにおいて胎盤移行が認められた。臨床用量(1回45mgを1日2回投与)の約12倍(ラット)の曝露量では、胎児体重の軽度の減少が認められた。
小児
18歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
『リフヌア錠』は新しい作用機序の鎮咳薬(咳止め)です。詳しく勉強していきましょう。