2022年8月26日(金)
今日は、2014年に発売された慢性腎不全による高リン血症の治療薬「リオナ錠」の勉強をしようと思います。
目次
リンの役割
リンは人の十大元素の1つで、生体内て6番目に多い元素と言われています。
リンは体内でエネルギーの運搬を行ったり、細胞膜の構成成分となったりします。またカルシウムと共に骨の主要な成分となり骨を硬くします。
生体内では欠かせない元素ですね。主に食事から摂取します。
高リン血症
高リン血症とは、文字通り血液中のリン濃度が非常に高い状態のことです。
食事から取ったリンは通常腎臓から排泄されるのですが、重度の腎障害になると腎臓からリンを排泄できなくなります。
リン濃度が高い状態が続くと、骨が脆くなったり、石灰化を起こし心筋梗塞や脳卒中といった深刻な事態に繋がります!
透析をしてもリン除去についてはあまり効果的ではなく、高リン血症のリスクを減らす事はできません。

治療は、リンの少ない食事を取る、リン吸着薬を服用して体内にリンを入れないようにすることです。
リンは、牛乳・チョコレート・卵黄・ソフトドリンク・加工食品に多く含まれています。
リオナ錠の作用機序
リオナ錠は、リオナ錠に含まれる鉄が消化管内で食事由来のリン酸と結合し、難溶性の沈殿を形成させることにより、糞中へのリン排泄を促進させ、消化管からのリン吸収を抑制することで、血清リン濃度を低下させます。

鉄欠乏性貧血にも効果あり!
リオナ錠は2021年3月に鉄欠乏性貧血にも効果があるとのことで、適当が追加になりました!

鉄欠乏性貧血の治療薬が少ないので、治療の幅が広がりました!
リオナの有効成分であるクエン酸第二鉄水和物は、十二指腸シトクロムbにより2価鉄イオンに還元されて消化管から吸収されます。吸収された鉄は、血中のトランスフェリンに結合して生体内を循環します。その後、骨髄にて赤芽球に取り込まれヘモグロビン合成に利用されることで貧血を改善します。

リオナ錠の特徴
- 食直後の服用→食物由来のリンを吸着する薬剤であり、薬効を十分に発揮させるには食直後の服用が必須。
- 下痢、便秘の副作用が多い。
- 錠剤では大きくてやや飲みにくい。
- リオナ服用時、便に鉄が含まれるため黒色便になる。
- 後発品がまだないので、割り高になる。
まずは、リンの役割を説明しましょう!