今日は2022年5月に発売された原発性腋窩多汗症治療薬『ラピフォートワイプ2.5%』の勉強をしようと思います。

簡単に言うと『脇汗』の治療薬です!!
こんな症状で困っている人はいませんか??
- 汗ジミや汚れが気になって、着る服の色が限定される
- 脇汗が気になって、仕事や勉強に集中できない
- 外出するのが不安、億劫になる
など、過度な脇汗で日常生活に支障が出る場合、それは病気の1つです。治療することができます。
目次
脇の多汗症
脇の多汗症は体温調節に必要な量を超えて、通常よりも多く脇汗をかいてしまうことで、日常生活に支障をきたす疾患です。
医学的に『腋窩多汗症(えきかたかんしょう)』と言います。

脇の多汗症の発症率は3.7%で日本には約260万人に患者さんがいると推測されています。
ただの脇汗だし・・・と病気と思っていない人もたくさんいると思います。
軽い脇汗だけだと、市販の制汗剤でもいいと思います。
治療法
- 塩化アルミニウム外用液(保険適応外)→汗腺を物理的に閉じて発汗を抑える。以前は腋窩多汗症の薬はこれしかありませんでした。しかし保険適応外で、院内製剤として病院で調合して患者さんに渡します。
- 抗コリン外用液→2022年7月現在、「エクロックゲル5%」と「ラピフォートワイプ2.5%」の2種類ある。保険適応。汗腺に作用し、交感神経から伝達される汗を出す信号をブロックし、過剰な汗を抑制します。
- 外科的治療→マイクロ波で汗腺を凝固したり、交感神経を切断したりする。
ラピフォートワイプ25%
ラピフォートワイプ25%は抗コリンの外用薬で、腋窩多汗症に適応があります。

作用機序
本剤の有効成分であるグリコピロニウムトシル酸塩水和物は、汗腺のムスカリンM3受容体へのアセチルコリンの結合を阻害することで、発汗を抑制します。
使い方
1日1回、1包に封入されている不織布1枚を用いて薬液を 両腋窩に塗布する。なるべく毎日同じ時間に塗布しましょう。また、使用後は4時間脇を洗わないようにしましょう。
寝る前の使用をお勧めします。

ラピフォートワイプ25%の特徴
副作用
など抗コリン作用が見られます。
考察
日本で初めて腋窩多汗症の治療薬として発売された「エクロックゲル5%」に続く2つ目の治療薬。
「エクロックゲル5%」と作用は同じですが剤形が異なり、1回使い切りの製剤で衛生的で使用しやすいのが特徴です。しかし、発売から1年間は2週間分しか処方できないので、1年経過する来年の5月から処方は増えるのではないのでしょうか(°▽°)
以前働いていた病院でも皮膚科でちょこちょこ塩化アルミニウム水溶液の処方があったので、困っている人には必見の薬剤だと思います。
ただあくまで根治ではなく、対症療法なので続けなければならないことがネックかなと思いました。仕方ないのですがね。
原発性腋窩多汗症ってどんな病気?聞き慣れないなー。