こんにちは🌞のまりこです(^^)
今日は糖尿病治療薬のフォシーガ錠の勉強をしようと思います。
フォシーガ錠は糖尿病治療薬の中のSGLT2阻害薬に分類されます。SGLT2阻害薬は近年発売(2014年〜)された新しい作用機序の薬です。
通常、糖は腎臓の糸球体でろ過され、腎尿細管で再吸収され体内へ取り込まれます=尿には糖分は含まれません。
SGLT2阻害薬はSGLT2と言う糖輸送タンパクを阻害し、糖の再吸収を阻害することで過剰な血液中の糖を尿に排泄し、血糖降下作用を示します=尿の成分に糖が含まれます。
また、エネルギー喪失効果により体重減少作用もあります。
ただ、服用後数日は浸透圧の関係で尿量が増えるので脱水に注意が必要です。服用している方は、普段プラス500mLの水分を摂取することが推奨されています。利尿作用があるので、服用は夜間に影響の少ない朝に服用することが多いです。また尿路感染も起きやすくなるので、陰部は生活に保ちましょう。
☆フォシーガ錠の特徴☆
- 1型糖尿病にも適応がある。
- 用法は1日1回だが、朝食後な朝食前といった制限がない。
- 腎保護作用がある。(2021年8月に慢性腎不全の適応が追加になりました。)
- 慢性心不全に適応がある。
- 後発品はない。
〈簡易添付文書〉
目次
☆規格☆
5mg 10mg
☆適応☆
①2型糖尿病。
②1型糖尿病。
③慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)。
④慢性腎臓病<末期腎不全又は透析施行中の患者を除く>。
☆用法・用量☆
〈2型糖尿病〉
通常、5mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら10mg1日1回に増量することができる。
〈1型糖尿病〉
インスリン製剤との併用において、通常、5mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら10mg1日1回に増量することができる。
〈慢性心不全、慢性腎臓病〉
通常、10mgを1日1回経口投与する。
☆禁忌☆
⚫︎本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
⚫︎重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない]。
⚫︎重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[糖尿病を有する患者ではインスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない]。
☆基本的な注意☆
⚫︎本剤投与中に、血清クレアチニン上昇又はeGFR低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査すること。腎機能障害のある患者では経過を十分に観察し、特に重度腎機能障害患者に本剤を投与する際には、腎機能障害悪化に注意すること。
⚫︎本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがあり、また、体液量が減少することがあるので観察を十分に行い、適度な水分補給を行うよう指導すること。特に体液量減少を起こしやすい患者(高齢者、腎機能障害のある患者、利尿剤併用患者等)においては、脱水や糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意すること。
⚫︎糖尿病の血糖コントロール改善を目的として使用する場合は、本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払うこと(本剤を3ヵ月投与しても効果が不十分な場合、より適切と考えられる治療を考慮すること)。
⚫︎尿路感染及び性器感染を起こし、腎盂腎炎、外陰部壊死性筋膜炎及び会陰部壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症等の重篤な感染症に至ることがある。尿路感染及び性器感染の症状及びその対処方法について患者に説明すること。
⚫︎本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用により、血糖コントロールが良好であっても脂肪酸代謝が亢進し、ケトーシスがあらわれ、ケトアシドーシスに至ることがある。著しい血糖の上昇を伴わない場合があるため、次の点に留意すること。
→悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等の症状が認められた場合には、血中又は尿中ケトン体測定を含む検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。1型糖尿病の患者、インスリン分泌能低下、インスリン製剤減量やインスリン製剤中止、過度な糖質摂取制限、食事摂取不良、感染症、脱水を伴う場合にはケトアシドーシスを発現しやすいので、観察を十分に行うこと。
♯ケトアシドーシスの症状・・・悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害など。
⚫︎排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈する患者においては、排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の治療を優先するとともに他剤での治療を考慮すること。
⚫︎本剤投与による体重減少が報告されているため、過度の体重減少に注意すること。
⚫︎低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意すること。
☆副作用☆
低血糖、脱水、尿路感染、性器感染、便秘、下痢など。
☆高齢者☆
脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそれがある。
☆妊婦☆
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与しないで、糖尿病患者ではインスリン製剤等を使用すること。
☆小児☆
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
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