今日は、2021年9月に2型糖尿病治療薬として発売された新薬、『ツイミーグ錠』の勉強をしようと思います。
ツイミーグ錠は、糖尿病薬の新規作用機序の薬剤としては7年ぶりに発売された薬です。世界に先駆けて、日本で発売となりました。
今までは新薬としての縛りで、2週間しか処方ができませんでしたが、今月(2022年9月)で発売から1年が経ち長期投与が可能となりました。
目次
作用機序
糖代謝の維持に深く関わるミトコンドリアへの作用を介して、インスリン分泌を促進させ、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善し、血糖降下作用を示します。


肥満や加齢に伴い、「NAD +」という補酵素が低下します。「NAD +」が低下すると。全身の代謝能が低下し2型糖尿病を引き起こすと言われています。
ツイミーグ錠はNAMPT遺伝子発現上昇作用による細胞内NAD+増加させ、これによりランゲルハンス島細胞内ATP、Ca2+が増加します。その結果グルコース濃度依存的なインスリン分泌作用を示し、血糖降下作用を示します。

また、ミトコンドリア内におけるATPの生産が、肥満・高血糖・加齢などの要素によって減少し、その結果、
- インスリン分泌低下
- 肝臓や骨格筋でのインスリン抵抗性増大
が起こり2型糖尿病が引き起こされます。ツイミーグ錠は活性酸素(ROS)産生低下させ、β細胞保護作用(膵内作用)+糖の取り込み改善作用(膵外)+糖新生抑制作用(膵外)を示します。

健常人と比べて、低下した機能を元に戻すことで血糖を下げるということですね。
また、ツイミーグ錠はSU剤のように膵細胞を刺激してインスリン分泌促進作用を示す訳ではないので、膵細胞が疲弊することはありません。
他剤との併用は??
ツイミーグ錠は効果から、メトグルコ錠とアクトス錠の合剤のように言われていますが、作用機序が違うので全ての糖尿病治療薬との併用が可能です。

今は、他剤を服用し、効果が薄い場合に追加で使う使い方が多いようです。

他剤と服用することでより強い血糖降下作用が現れます。
ツイミーグ錠の特徴
参考
- ツイミーグ錠「2型糖尿病の病態から考える ツイミーグの作用機序と有効性・安全性」パンフレット
新しい作用機序なんだ。どんな薬だろう??