こんにちは。リン子です。今日は医薬品業界のかつてない危機、後発品の供給問題に触れたいと思います。
実は、多くの人が服用している薬ですが、今かつてない危機が訪れているのです!!
3年ほど前から、医薬品の後発品の供給が不安定なのです。なぜ不安定なのか、いつ解消するのかまとめました。
目次
後発品と先発品
後発品(ジェネリック薬品)とは、簡単に言えば先発品(先に出た薬)と同じ成分で同じ効果の薬のこと。特許の切れた先発品を真似て作っており開発費用が少なく済んでいる分安いのが特徴です。ただ、添加物は違うことが多いです。
中でもAS(オーソライズド・ジェネリック)と呼ばれるものは、先発品と成分・添加物・製造方法が全て同一な後発品のことで、先発品と全く同じと言っても過言はないでしょう!
例えば、有名な花粉症の薬「アレグラ錠60mg」は
先発品・・・1錠52.6円 後発品・・・大体1錠18.1円(後発品はメーカーによって値段に差があります)
後発品だと先発品の約1/3ほどの値段です。薬代が安く済むため、国は医療費の切迫を加味し、後発品を推奨しています。また患者さんの経済的負担も軽くなります。なので、処方薬の多くは後発品になっています。(先発品で特許の切れていないものは後発品がないので先発品の処方になります。)
きっかけの事件
きっかけは後発薬メーカーの小林化工が、2020年12月に水虫などの皮膚病用の飲み薬に睡眠導入剤を混入させた不祥事です。健康被害が相次ぎ、2021年2月に116日の業務停止処分を受けました。
その後、後発薬大手の日医工が2021年3月、長生堂製薬が2021年10月に業務停止処分を受けるなど他のメーカーも不祥事が続きました。
現在の状況
その結果、3社の計641品目が出荷停止か供給遅延となり供給不足が発生。同じ成分の後発薬をつくる他社に注文が殺到したことで、得意先や顧客への供給不足を恐れ、十分な在庫があるのに注文を断る「出荷調整」を引き起こし、品薄状態がさらに拡大しました。
2022年6月現在も余波がまだ続いており、私の職場もメーカーを変えたり在庫確保に日々奔走しています。どうしても手に入らない場合は・・・
- 先発品への切り替え・・・患者さんへの経済的負担が増える
- 同じ効果の違う薬への変更・・・薬が変わることで、体調に気変をきたすこともあり
などで対応していますが、やっぱり患者さんに負担をかけてしまうのが現状です。

これほど薬の供給が不安なのは初めてだそうで、おそらく後2〜3年は続くと言われています。
早く安定供給になるよう願うばかりです・・。
後発品(ジェネリック薬品)ってよく聞くけど、なんのことなんだろう?