今日は点眼薬のあれこれを勉強したいと思います。外用薬ってどうしても疎かになりがち。中でも点眼薬は副作用も少なく、処方数も少ない。ついつい忘れてしまうことも多いのでおさらいしましょう!

基本は1回1滴です。
目次
一般的な使用方法
点眼から滴下される1滴は20〜50μl。眼内に保持できるのは20〜30μl。なので1滴でも溢れ出る可能性があります。なので基本は1回1滴で十分です。

眼の鼻側にある鼻涙管に薬液が流れ込むと、薬液が喉に流れ込み、そのままに見込むと経口投与と同じことになり、微量ながら全身作用が出ることもあるため、さした後は目頭を抑えることで鼻涙管に薬液が流れることを防ぎかつ、眼全体に薬液を浸透させることができます。
よく目薬をさした後に「口が苦い・・・」という経験はありませんか??その場合は目薬が鼻涙管へ流れていますよ。気をつけましょう!
複数の点眼が処方された場合
点眼薬の多くは水溶性で、間隔を5分以上あければ、最初に点眼した薬剤は吸収されていると考え、特に順番は気にしなくてOK。
しかし、チモプトールXE点眼(涙と混ざることでゲル化する)やリズモンTG点眼(点眼後に眼の表面の熱によってゲル化する)などの一部の薬剤は最後に点眼した方が良いでしょう。


また、最初に点眼した薬剤の方から排出されるため、効果を期待する点眼剤は最後に点眼するという方法もあります(°▽°)
そのため、医師の指示がない場合は、
『水溶性点眼→懸濁性点眼→ゲル化性点眼→角膜保護点眼→眼軟膏』の順にさしましょう。
複数の点眼が処方されている時は、患者さんには順番を伝えておくと分かりやすいですね♫
開封後の期限と保管
開封後の使用期限は通常1ヶ月を目安とし、残った薬液は保管せず捨てましょう。
車の中や、冷凍庫など保管状況の悪い場合は1ヶ月以内でも破棄しましょう。
コンタクトレンズ装着時でも使える点眼
微生物による汚染を防ぐため、点眼剤には一般的に塩化ベンザルコニウムやパラベン類、クロロブタノール、クロルヘキシジンなどの防腐剤が含有されています。これらが角膜を傷害するリスクがあるため、コンタクトレンズを装着している人は「点眼時はメガネにする」のが原則です。
特にソフトコンタクトレンズは薬物を吸着しやすい性質があるため、注意が必要です。
そのため、コンタクトレンズ使用中では点眼前後5分はコンタクトレンズを外します。(物によっては15分のも)
角膜保護剤の「ヒアレイン点眼」は2018年に添付文章が改訂され、「ソフトコンタクトレンズを装着したまま使用しない。」の文言が削除されました。
防腐剤の中でも、塩化ベンザルコニウムは角膜上皮に対する研究が多数報告されているが、変更したクロルヘキシジンはソフトコンタクトレンズへの吸着はあるのもも低毒性であり、比較的緩徐に放出されるため、影響が少ないと言われている。
以上のことから、ソフトコンタクトレンズ装着時でも、ヒアルロン酸含有点眼は使用して差し支えないとなりました。

また、市販点眼薬はコンタクト装着時でも使用できるものかたくさんあるので、確認して購入しましょう。
防腐剤が入っていない点眼もあります🙂
医薬品の抗アレルギー点眼だと、「アレジオン点眼」は防腐剤が入っていないためコンタクトレンズ着用中でも使用可能です。
毎年、コンタクト時でも使用可能なので花粉の時期に大活躍しています(o^^o)
点眼薬って何滴させば良いのかな?1滴じゃ少ない気がするよ。