2022年7月25日(月)
先週からコロナの猛威がすごいですね・・・。今日も発熱外来大忙しでした。職員もちらほら出てるし、入院患者さんにもついに出てしまって・・・。
まあ、遅かれ早かれ陽性者は出ると思っていたので想定内ですね。重症化&クラスターだけはしないように、しないとです。明日からまたガウンにN95生活です。一刻も早く治まるようにん微力ながら力になろうと思います!!
今日は日経メディカルから「学会トピックス」ブログです( ´ ▽ ` )
目次
早期からの漢方治療薬が、コロナの重症化を抑制する!?
東北大学大学がこんな研究を行いました!
ここでも漢方の力が!!あ、決して漢方贔屓ではないですよ。
では詳しくみていきましょう。
今回発表されたのは、軽症および中等症ⅠのCOVID-19患者における、一般的対症療法と漢方薬による治療の効果を比較した多施設共同観察研究の結果です。
研究対象者と期間
- 研究対象者の登録期間はCOVID-19の流行初期からデルタ株流行期までで、オミクロン株の感染者は含まれない。
- 患者さんは20歳以上の男女の外来患者と入院患者のうち、軽症、中等症Ⅰ(肺炎あり、呼吸不全なし)のCOVID-19患者。(PCR検査体制が不十分だった期間においては、医師の判断により疑い患者も登録されています。)
このうち約950人に対して一般的対症療法あるいは漢方薬治療の経過を比較しました。
評価項目
- 主評価項目は発熱改善(体温が37℃未満となる)までの日数。
- 副次評価項目は発熱以外の感冒症状(咳、呼吸困難、倦怠感、下痢)の改善までの日数。
- 重症化は、治療開始から14日以内に呼吸不全により酸素吸入を必要とした場合と定義した。
治療
一般的対症療法では解熱鎮痛薬、抗菌薬、アビガンなどが投与されました。漢方薬は小柴胡湯加桔梗石膏や葛根湯が多く使用され、それ以外には咳や痰に用いられる麻杏甘石湯や五虎湯なども投与されていました。
結果
主要評価項目である発熱が改善するまでの2群に有意差はなく、発熱以外の症状に関しても同じで、咳、息切れ、倦怠感や下痢が改善するまでの日数に群間差は見られなかった。
一方、重症化して呼吸不全となるリスクを評価した結果・・・
一般的対症療法群よりも漢方薬治療群が低い傾向にあり、特に発症後早期に治療を開始した場合、一般的対症療法群よりも漢方薬治療群の方が有意に低いという結果でした。

考察
重症化リスクが低いと分かれば、漢方は比較的副作用の少ない薬なので投薬がしやすいし、積極的に投与すべきではないかと思います。
ただ今の段階では、どういった根拠で効果があったかなど分かっていない面もあるので、治療の一例として参考になればと思います(o^^o)
当院では、コロナ陽性者に漢方が処方される例はほとんどないので私も勉強になりました!
まだまだCOVID-19は未知のウイルスで、色々な研究結果がこれから出てくると思います。
視野を広く持ち、知識を持って戦いたいと思います!!!
コロナ感染症の軽症者、中等症1の患者さんに、葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏中心とした漢方薬の投与により重症化リスクが低下しました!!