今日は抗認知症薬、抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体『レカネマブ』の最新ニュースが話題になっているのでどんな薬なのか勉強しようと思います。
目次
認知症とは??
一つに認知症と言ってもいくつか種類が存在します。
- アルツハイマー型認知症
- 血管性認知症
- レビー小体型認知症
この3つが3大認知症と言われており、最も多いのがアルツハイマー型認知症で全体の約60%を占めています。
アルツハイマー型認知症
血管性認知症
レビー小体型認知症
レカネマブの効果
レカネマブはアルツハイマー型認知症に効果を示します。
エーザイとバイオジェンは9月28日、共同開発しているアルツハイマー病治療薬レカネマブについて、早期アルツハイマー病の患者を対象とした大規模臨床試験で症状の悪化を抑制したと発表した。
AnswersNews
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβと言うタンパク質が脳に蓄積して、神経細胞が減少し、脳の萎縮が進行する病気と言われています。

レカネマブは、患者の脳内からアミロイドβと呼ばれるタンパク質の沈着を除去することでアルツハイマー病の進行を遅らせ、神経細胞が壊れるのを防ぎ、病気の進行そのものを抑えることを目的としています。
アルツハイマー病の治療薬は、これまで神経細胞に作用するなどして症状が悪化するのを遅らせるものはありましたが、国内では病気の進行そのものを抑える薬で承認されているものはありません。
最終治験の内容
治験は2019年3月からアメリカや日本、それにヨーロッパなどで軽度の認知症の患者や発症の前段階の患者、あわせておよそ1800人を対象に行われ、2週間に1回のペースで薬を投与するグループと、偽の薬を投与するグループに分けて、医師などが評価する形で患者の認知機能の変化などを調べました。

その結果、投与から1年半たった時点で、「レカネマブ」を投与したグループでは、症状の悪化が27%抑えられ、有効性が確認できたとしています。
レカネマブの今後
まだ治験段階ですが、承認されれば認知症治療の大きな1歩となります。
エーザイ含め、アルツハイマー病治療薬の開発は失敗続きで、承認されれば20年ぶりの新薬となるそうです。
治験薬は皮下注射で抗体製剤となると費用は高そう・・・。
しかし、認知症はもはや社会問題。壊れた神経細胞は元には戻りません。早期に投与することで進行が抑制されれば、本人ももちろん介護する家族の負担も大きく減ると思います。
無事、承認されることに期待します!!
参考
- AnswersNews
- エーザイサイト
- NHKニュース
- 新潟日報
抗認知症薬の新しい作用機序ということで医療業界は興味津々です。