以前から話題になっていた、抗認知症薬、抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体『レカネマブ』が2023年8月21日厚生労働省に承認されました!!
エーザイ含め、アルツハイマー病治療薬の開発は失敗続きで、20年ぶりの新薬です。
目次
認知症とは??
一つに認知症と言ってもいくつか種類が存在します。
- アルツハイマー型認知症
- 血管性認知症
- レビー小体型認知症
この3つが3大認知症と言われており、最も多いのがアルツハイマー型認知症で全体の約60%を占めています。
アルツハイマー型認知症
血管性認知症
レビー小体型認知症
レカネマブの効果
レカネマブはアルツハイマー型認知症に効果を示します。
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβと言うタンパク質が脳に蓄積して、神経細胞が減少し、脳の萎縮が進行する病気と言われています。

レカネマブは、患者の脳内からアミロイドβと呼ばれるタンパク質の沈着を除去することでアルツハイマー病の進行を遅らせ、神経細胞が壊れるのを防ぎ、病気の進行そのものを抑えることを目的としています。
アルツハイマー病の治療薬は、これまで神経細胞に作用するなどして症状が悪化するのを遅らせるものはありましたが、国内では病気の進行そのものを抑える薬で承認されているものはありません。
治験段階は脳浮腫や脳出血の副作用報告があったそうなので、投与後も定期的な脳の検査は必要そうですね。
最終治験の内容
治験は2019年3月からアメリカや日本、それにヨーロッパなどで軽度の認知症の患者や発症の前段階の患者、あわせておよそ1800人を対象に行われ、2週間に1回のペースで薬を投与するグループと、偽の薬を投与するグループに分けて、医師などが評価する形で患者の認知機能の変化などを調べました。

その結果、投与から1年半たった時点で、「レカネマブ」を投与したグループでは、症状の悪化が27%抑えられ、有効性が確認できたとしています。
使用できるのはいつから?
2023年8月21日に承認され、政府は早ければ11月遅くとも年内の発売を目指しているそうです。
皮下注射で抗体製剤となるので薬価は心配されます・・・。
用法は2週間に1回だと思われます。
しかし、認知症はもはや社会問題。壊れた神経細胞は元には戻りません。早期に投与することで進行が抑制されれば、本人ももちろん介護する家族の負担も大きく減ると思います。
高齢化社会に大きく貢献できるう薬剤になるか、期待しようと思います。
参考
- AnswersNews
- エーザイサイト
- NHKニュース
- 新潟日報
久しぶりに新しい作用機序の抗認知症薬が承認されましたね。今までの薬は、「症状を緩和する」もので、病気の「進行を遅らせる」効果が期待される国内初の薬になります。