コロナ感染者に多い味覚障害。
今、とても注目を浴びてますが、もともとコロナ感染者だけでなく、抗がん剤や薬の副作用、ストレスや脳疾患、肝疾患、認知症などによっても生じる意外と身近な病気です。
一般的に、食べ物の味がわからなくなったり、口の中に苦味を感じたりすることをいいます。また、味覚障害には、甘いものや、酸っぱいものを食べているのに苦味を感じたりすることも含まれます。
目次
味覚障害の原因
異常が起こる原因として代表的なものは、亜鉛不足です。
亜鉛が不足すると味細胞のはたらきが阻害されて味覚障害が起こります。
亜鉛不足が起こる原因は、
- 食事からの亜鉛の摂取量が低下したとき
- 抗アレルギー薬・抗がん薬・解熱鎮痛薬・抗うつ薬などの薬剤と亜鉛が相互作用を起こしたとき
などが挙げられます。
また、貧血、消化器疾患、甲状腺疾患、腎疾患などが原因となって生じることもあります。
その他の原因として、風邪、うつ病、ストレスなどが考えられます。
味は中枢神経で感知されるため、脳梗塞や脳出血などにより脳細胞が傷害を受けると、味覚障害になることもあります。
一般的な薬
プロマック
言わずと知れた、味覚障害の第一選択薬。不足している亜鉛を補充します。

本来は胃腸保護薬として使用されますか、亜鉛を含んでいる亜鉛含有薬で今では、亜鉛の補充で処方されることかほとんどです。
下述するノベルジン錠が発売されるまで、亜鉛含有薬はプロマックしかなかったので重宝されていました。

適応にはないので、適応外使用にはなります。
後発品も、あり値段は安いです。
ノベルジン錠
唯一「低亜鉛血症」に適応をもつ薬。
ノベルジンは、銅の排泄障害で起こる先天性銅過剰症のウィルソン病(肝レンズ核変性症)の治療薬としてのみ認められていました。

2017年に適応追加になり、「低亜鉛血症」が追加されました。この薬も不足している亜鉛を補充します。
効果はもちろんなのですが、値段が高いので敬遠されがち。(後発品はなし)
あまり、処方は出ないです😅
柴朴湯
小柴胡湯と半夏厚朴湯を配合した漢方薬。

気分が塞いで、のど粘膜の再生機能が弱っている場合など、免疫機能の強化や炎症を和らげる効果が期待できます。
味覚障害の治療として使用されます。妊娠初期やつわり後の味覚障害にも使われています。
補中益気湯
消化管の機能低下により、味覚を感じる機能も低下します。

補中益気湯は胃腸のはたらきを高め、食欲を出すことで「気」を増やし、「気」を上のほうに動かしてめぐらせることで、元気を補い、胃腸の消化・吸収機能を整えて疲れを改善していく処方です。
そうすることで、味覚障害が改善されます。
身体が弱ってる人によく処方されますね。
当帰芍薬散
当帰芍薬散は血行をよくして体をあたため、貧血症状を改善します。また、痛みをやわらげたり、ホルモンバランスを整える効果も期待できます。

一般的に女性に用いることが多く、色白で冷え症、やせ型で体力のあまりない人に向く処方です。具体的には、体の疲れ、冷え性、貧血症状、生理不順、生理痛、生理前後の不快症状、不妊症、むくみ、頭痛、めまい、肩こり、更年期障害などに広く適応します。
味覚障害と関係ないような気がしますが、感冒後嗅覚障害の場合に有効性が報告されています。
味覚障害は嗅覚障害と連動している場合も多く、味覚障害の治療としても使われることもあるようです。
考察
味覚障害の治療はその原因を取り除くことと、亜鉛値を確認することです。
亜鉛値が低くなくても、亜鉛製剤はベースに服用し、それプラス漢方や他剤を服用する方が多いようです。
漢方も紹介した以外の種類も色々使われています。
なかなか治らない味覚障害に漢方も試してみてはいかがでしょう🤗
参考
- クラシエ漢方
- メディカルノート
- ツムラ漢方
- DIオンライン 味覚障害の考え方の漢方処方
今日は味覚障害時に使用する、一般的な薬を見ていきましょう!