最近職場で、「不穏の患者さんがいるんですが、どんな薬を飲ませたらいいですか?」とよく聞かれます。
高齢の患者さんは入院して環境が変わると、よく不穏になります。不穏と一言でいっても、原因は様々です。認知症や精神病、内分泌疾患などの疾患からくるものや薬の副作用(ステロイドや眠剤など)と多岐に渡ります。

使用する薬は主に抗精神病薬です。私の働く病院の採用薬でまとめてみました。
目次
リスペリドン(錠・内用液)
- 適応:統合失調症(適応外:せん妄、双極性障害のうつ状態、認知症に伴う幻覚・妄想など)
- 用量:2〜6mgを1日2回 最大12mg /day(腎障害時は最大6mg/day)
- 効果発現:1時間以内、効果は半日くらい持続。
- 特徴:抗幻覚妄想作用は強い。鎮静効果強い。
- 副作用:悪性症候群、高血糖、便秘、不眠、口渇など。
オランザピン錠
- 適応:統合失調症・双極性障害における躁症状及びうつ症状の改善など
- 用量:1日1回5〜10mg
- 効果発現:3〜4時間。8〜12時間ほど持続。
- 特徴:鎮静効果が強いため、不眠に対して使用されることもある。気分安定効果あり。抗うつ・抗不安効果あり。体重増加・血糖上昇に注意(糖尿病患者には禁忌)。食欲増進作用あり。
- 副作用:高血糖、体重増加、便秘、眠気、血圧低下など。
クエチアピン錠
- 適応:統合失調症
- 用量:1日25mg、1日2〜3回で開始。最大750mg /day
- 効果発現:1〜2時間。
- 特徴:抗幻覚・妄想効果は弱い。鎮静効果が強いため、不眠に対して使用されることもある。気分安定効果あり。抗うつ・抗不安効果あり。体重増加・血糖上昇に注意(糖尿病患者には禁忌)。食欲増進作用あり。
- 副作用:高血糖、体重増加、便秘、眠気、血圧低下など。
アリピプラゾールOD錠
- 適応:統合失調症、双極性障害における躁症状及びうつ症状の改善など
- 用量:1日6〜12mgで開始し、維持量は6〜24mg /day 1〜2回
- 特徴:鎮静効果は弱い。気分の安定効果あり。
- 副作用:高血糖、体重増加、消化器症状など。他の抗精神病薬に比べると副作用が少ない。
チアプリド錠
- 適応:脳梗塞後遺症に伴う攻撃的行為・精神興奮。徘徊・せん妄の改善など。
- 用量:1日75〜150mg 分3。6週間で効果ない場合は中止する。
- 特徴:基本頓用では使用しない。定期で服用する。
- 副作用:口渇、不眠、めまい、ふらつきなど
まとめ
使用する際に、糖尿病かそうでないかが大きなポイントになります。糖尿病が人にはリスペリドン錠が第一選択になりますかね。糖尿病がなければ、効果発現も早く鎮静効果も強いクエチアピン錠が第一選択になるのかなと思います。
脳梗塞に既往がある人はチアプリドを定期で服用してみてもいいと思います。
この他にも、抑肝散という漢方も定期で服用という手もあります。漢方は比較的副作用が少なく安全に使用できます。ただ効果発現まで2〜3ヶ月ほどかかるのでその間は他の薬剤を使わざる得ないと思います。
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